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エンタメとか書評とか

『人生是、途中なり』松尾スズキ 読了

この10年以上 心酔している松尾スズキさんのメルマガでの人生相談をまとめた本。

メルマガも購読しているので初見ではないのだが、まとめて読むとまたおもしろい。

この本は仕事や人生・死についての相談本です。恋愛については別書籍『出会って別れて、なぜ悪い』があります。

 

感じ入った箇所はこんな感じです。

 

・所詮、宇宙は見えるところまでしかない。おもしろきこともなき現世を、意地でもヤケでもおもしろく、ともに生きましょう。

・客観的成功なんてどうでもいい。主観的幸せの追求こそ、人間が生きるということなんじゃないか。

・些末なことや間抜けなことの中に本質はある(「笑い」と「些末」が本質)。

・世の中が不寛容になってきている(「考えが違う」ということに)。

・必要なのは自信。あなたも自信の持てる場所を見つけましょう。

といったあたり。

 

宇宙は見えるところまでしかないというのでは、もちろん「ファンキー」を思い出す。おもしろき〜〜というのは励まされます。

Facebookとかで友人(といっても他人)のキラキラした生活がうらやましく見えてしまうこともあるが、主観的(自分の)幸せがなにより大事なんであって、それを追求したい。

些末が本質というのは、松尾さんならではかな。

不寛容ってのはホントに現代的なテーマだと思う。考えが違うというのは会話の終わりになってしまうコトバだと思っている。話し合おうよっていう。話し合って結論がそれだったら終わりだけどね。

自分の自信を持てる場所を見つけるというのは大事だよね。友だち関係の輪の中で自身の居場所が見つけられないとか悩んだこともあったけど、友だちは自分のよって立つすべてじゃないとあとになってわかる。

 

松尾さんは人生相談でもときには身もフタもないことを言われるのだけど、本質的でまっとうなので逆に優しいです。その場しのぎでないので。

 

松尾さんの神髄は、過程を楽しむことだと思っています。演出舞台でも(著作でも)ストーリーを要約(されたのを読んだり)すると、ああそんな感じね(あまりオモシロそうじゃない...)と思うのだけど、観劇中は実におもしろいです。些末というか細部なのだけど、笑いのネタ、伏線回収などが見事で、満足感高く劇場をあとにすることができます。ああまた観たいと思うわけです。

 

7月5日には、舞台『命、ギガ長ス』@ザ・スズナリを観てきます。東京成人演劇部という新たに立ち上げた企画で、あんたま(安藤玉恵)とのふたり芝居です。舞台感想などもアップできればと思います。

 

それでは〜♪